蛙鳴蝉噪

あめいせんそう:役に立たぬ議論や、内容のない文章のたとえ / そんなわけで小説とも言えないような駄文書きによる駄文置き場です。JOJOをこよなく愛す腐れ女。

【承DIO】いけない子

☆承DIO

☆けっこう甘め

☆やっぱり駄文

 

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分厚くたくましい指が肌の感触を確かめている。耳の形を変えぬように撫でたり、背中の骨をなぞったり。色々な箇所に滑らせていた手が、太ももの位置に定着した。掌でゆっくりと撫であげては、手つきが色気を持ったものに変わっていた。


「今日はだめだ」


盛りのついた男の唇に人指し指を這わす。
獣のような目がわたしを見つめ、チィと罰の悪そうに舌打ちした。
普段の落ち着きのある深緑と一変し、今の男の目はギラギラ輝き今にも食らいつきたそうに訴えていた。

わたしの這わせた指を噛み、ブツ、と肉を弾けさせる。そこから流れ出だした血を一滴も残さぬように舐めとる様を見て、どっちが吸血鬼かわからないものだな、と我ながら思う。


「私は慈しまれるのは好きではないんだがな」


ちらりと黒目が覗き込んだ。まだ瞳の奥には欲求が渦巻いていて、食い時を狙っているように思えてしまった。


「メスは黙って事実を受け入れな」


フン、と得意げに鼻を鳴らした。なんとも下品な口説きだ。
元からあのジョナサンの玄孫には思えぬ言動と横暴さを持っているとは思っていたが、こんなにも獣じみた奴だとは。

全くお前はどこからそんな言葉を学んだのだ、とわたしが呆れを含んだ言い方をしたのが気に障ったのか、承太郎はムッとした表情で迫りくる。


「さあな。ただ、」


一旦そこで言葉を区切って、空気をいっぱいに吸い込み、また口を開かせた。


「俺はいけない子だからなぁ」


お前が教育してくれよ、DIO。と。
馬鹿正直な言葉に、息が詰まってしまいそうだ。真っ直ぐに向けられた視線が痛くて仕方ない。
この男の甘い声に翻弄されて、結局わたしは受け入れてしまうのだな、そう悟ったころにはもう体はやわらかいクッションへ沈みこんでいった。